ウチボウズ宛てに初めての郵便物届く

出稼ぎ先から帰ってきた深夜に郵便受けを覗くと、何通か入っている。
そうか、オクチャンとウチボウズが退院してから、ずっとウチでいろいろ世話をしてくれていたオクチャンのマミーが、今日帰ったんだ。だからオクチャンは一日中家から出ることもできなかったんだな、と、少し悲しいような、怖いような思いがすっと頭をよぎる。
いやいや、これからが本当の三人家族の始まりじゃないかと気を取り直し、郵便物を取り出すと、中にウチボウズ宛てのものが二通あった。宛名にウチボウズのフルネームが記載されているのを見ると、その名前をつけた身でありながら(だからか?)、なんだかちょっと違和感があるというか、こそばゆいというか、変な感じがしたよ。
その郵便物は、両方とも役所から来たもので、健康保険証と小児医療証だった。昔は健康保険証は家族で1枚(で、世帯主以外の家族は中ページに記載されていたよね)だったけど、今はこんなガキンチョでも自分の保険証があるんだな。なんか、ウチボウズが妙にイッチョマエになったような気がしちゃったよ。だって、この保険証で身分証明とかできちゃうんだもんね、きっと。
少なくともこれらの書類で、おおそうか、このウチに今住んでいるのは、オイラと、オクチャンと、そしてこの新しい保険証の持ち主であるウチボウズの3人の人間なんだ、ということを改めて感じさせられたことは確かだな。
ともあれ、この2つがあれば、この市では、とりあえず小学校卒業までの医療費は無料になる。まあ、ありがたいことではありますよね。でも、そんな恩恵を受けながら言うのもなんだけどさ、同じ市からのものなのに、たぶん一方は保険課、一方は社会福祉課関連だからなんだろうけど、同じ日に別々に来るってどういうことなの?ってことは、やっぱり思っちゃうわけだけどね。