映画「風が強く吹いている」を見る

夕方から横浜に出て、映画「風が強く吹いている」を見る。映画の日だし、来週の本番に向けて気合いを入れるためにも、と。
さすが1000円で見られるだけあって、映画館にはかなりの人が。いちばん人気は「僕の初恋を〜」とかいうやつで、若者たちが見に来ているみたいだった。オイラはこれっぱかしも見たいと思わんけど。
一方「風が〜」のほうは、客層はやや高め。箱根駅伝という題材からして、ある程度の年代のほうが食いつきがいいんだろう。それでも席は7割方埋まっているようだった。久しぶりに両隣に違う客がいる封切館を体験。
で、肝心の映画のほうはどうだったかっていうと、結論から言えば、ある程度気合いを入れることはできた。けど、「よ〜し、やったるで〜」と腹の底からわき上がってくる感じではなかったかな、っていうくらい。
若者たちが走る姿は、たしかにそれだけで訴えてくるものがあった。とくにカケル役の林遣都の走りは、天才ランナーという設定のためもあるけど、とても軽やかで見ているほうも気持ちよくなるくらい。カケルが朝焼けの中を走る冒頭のシーンで、「これは……」とすでにヤバイ状態になりそうだった。
でも、結局それがすべてだったともいえる。原作を読んでいれば、あのシーンはこんな影像になるのかと思いながら見ることはできるけど、そうじゃないと、話としてどうなんだろうと「?」が。
駅伝メンバー10人それぞれに光を当ててつつ1年間の成長を描き、しかも箱根駅伝という見せ場もちゃんと出していくには、2時間の映画ではかなり無理があったんじゃないかな。だから、エピソードも飛び飛びになっていたり、なんでこんなシーンだけこんなにしつこく見せるの?というのもあったり。
どうせ見るなら、もっと登場人物みんなの背景や、葛藤や、変化をじっくり見たいなと思わずにはいられなかった。この題材、映画より連続ドラマのほうが合ってたかもしれないね。
それでも、来週の本番、「速く」走らなくてもいいけど、少なくとも自分の中では「強い」走りをしたいなということは感じさせてもらいました。