長年探し求めていた本、ゲット

買おうと思っていたのに、いつの間にか絶版になってしまった本ってありませんか。
オイラにはけっこうあって、そのうちの一冊が「清水邦夫全仕事1958-1980」。
清水邦夫の戯曲は、独特の、詩のような文体が魅力で、舞台で見るだけではなく、ぜひ本で読みたい劇作家の一人。その、(ほぼ)すべての作品を網羅したのがこのシリーズ。たしか、第2弾の「1981-1991」と同時に、92年ごろに出たもので、それぞれ1万円くらいした高価な本。本当は両方買いたかったんだけど、ちょうどオイラが会社を辞めるかどうかってときで、そんな贅沢はできなかった。でも、どうしても欲しかったので、迷いに迷って当時いちばん好きだった「なぜか青春時代」が入っていた第2弾のほうだけ買って、第1弾は少し落ち着いたら買おうと思っていたんだ。
ところが、いつの間にかこれが絶版になって、店頭から姿を消してしまっていた。まあ、戯曲本なんてそもそもそんなに売れるものでもないから、仕方ないのかもしれないけど、そうなるとますます欲しくなるのが人情というもの。時々アマゾンや古本系のデータベースを覗いては、出回ってこないかチェックしていた。たまあに出てくることはあるんだけど、希少だからか、2万とか3万とかの値がついていることがほとんど。いくらなんでも定価の倍は出せないなとあきらめていたんだけど、先日ふと見たら、ほぼ定価と同じ価格で出ているではないか。初めはなんかの間違いかと目を疑ったけど、出している書店の評判も悪くなかったので、思い切って買ってしまったんだ。
そして、それが今日、ようやく手元に届いた。外側の筺こそちょっと傷んではいるけど、中の本はほぼ新品同様。ほとんど読んでいないものと思われた。
こんな時期に、自分の趣味の、しかもけっこうな値段のするものを買ってしまい、中の人には申し訳なかったけど、そして、やっぱりオクチャンにはチクッと言われたけど、でもそれほどきつくなかったのは、オイラがそれだけ欲しいと思っていたのをわかってくれたのかと、自分に都合のいいように解釈して許してもらうことにした。
さて、でもいつになったらこいつを実際に読めるのか、となると……。

清水邦夫全仕事 1958~1980

清水邦夫全仕事 1958~1980