久しぶりの釘付けドラマ登場「それでも、生きてゆく」

録画したままになっていた「それでも、生きてゆく」第2回と第3回をようやく見た。第1回目を見た段階では、興味深くはあるんだけど、殺人事件、しかも少年犯罪の加害者家族と被害者家族の物語というのが、かなり重そうに感じて、続きを見るのに少し腰が引けていたというのも正直あったんだ。
けれど、徐々にドラマが展開していくにつれて、ぐいぐい画面に引き込まれ、もう目が離せなくなっていた。当初は、満島ひかりはNHKでは弟(永山絢斗)と、こちらでは兄(瑛太)と仲良くなるんだな、なんていうくだらない軽口を心の中でたたいていたりもしたけれど、そんなことはもうどうでもよくなっていた。
すべての登場人物が、事件を背負って、あるいはあえて事件に背を向けて、なんとか生き続けようとしている。それが、ときに悲しく、ときにけなげで、ときには滑稽であったりさえする。特に主演2人は、必死に生きていく人間が持つ強さと、あらゆるものに対して諦めてしまったかのようなもろさが同居していて、彼らから目をそらすことができなくなってしまった。
最近のテレビドラマは、マンガ原作が主流みたいに感じる。それはそれで面白いものもあるんだろうけど、ともすれば原作の設定やストーリーを優先するあまり、そこに生きている人間が単なる駒にしか思えないものが少なくないような気もして、なんかドラマを見るのがおっくうになっていたところがあった。だけど、この「それでも、生きてゆく」は、本当に久しぶりに次の展開が待ち遠しくなるまさに釘付けドラマだな。